骨董・美術的価値と、道具としての使用を目的とする価値に大きく分けられる
例えば、同じ製作者の1700年代クレモナのバイオリンでも、製作当時の良い状態で、オリジナルのラベル、有力な鑑定書等の優劣で価格が決まり、特に優れたものは、高価になる。これらの物は、コレクター又は投資に向き、演奏者が長期・長期間使用すればコンディションが下がり、価格も下がる。
したがって、多くの演奏者にとっては、道具として使用するには、過去にすでに使用され、もしくは長期間使用されず近年発掘された様な、それほど良にオリジナル状態ではないが、まじめに修理修復されたものが、より安価で使用価値が高いと考えられる。これらの中には音の良い(性能の高い)ものも多い。
ただし、同じ製作者の作品でも、より良いもの、普通のもの、少し劣るものがあり、製作年代が若い時、全盛期、老年期とか、材料の違いなど多くの事柄が影響している。
元々良い音の弾きやすい楽器は、多く使われている事があり、それなりに痛んでいる場合もあるし、特に美しく使用する事がためらわれ、大事にされ、良い状態を保っている場合もありうる。
私の中にもミントコンディションで完全なものを求める心と、使用する時の性能を追求したいという二つの気持ちが同時に存在する。
まずは、どちらかといえば音の良い自分にとって使用感の良いものを選ぶことをおすすめしたい。尚かつ興味があり余裕があれば、骨董的美術的価値のある楽器を手にすれば、ある種の満足も得ることができるでしょう。