今回特に言いたい事は、リベートの悪習慣についてです。
弦楽器店は、音楽家、芸術家である演奏者、教育者にリベート(お金)を出して、彼らの心を汚してはいけないと強く言いたい。
リベートは長い間弦楽器業界で、先生を通して生徒に楽器を多くあるいは高く売るための慣習として行われてきたものです。リベートによって魂の音楽が金儲けのための音楽になり、芸術家まで悪徳商売人にして心を汚してしまいます。お金は正当に稼ぐもので、生徒を騙して稼いではなりません。私が聞くところによれば、楽器金額の10%から30%もしくは40%まで現金を支払う楽器店もあるという事です。当然楽器の値段は非常に高くなり、生徒さんはお金を奪われるわけです。
こうした事を今後も続けていけば、ヴァイオリンやチェロを始める人が減り続け、気がついてみれば、生徒さんがどこにもいない、リベートの取りようもないという、笑えない事態になりかねない。
今世の中は大きく変わろうとしています。今まであたりまえであった事が否定され、新しい価値観が生まれています。人類は今、地球環境でさえ破壊してしまうところまできてしまいました。なんとか二酸化炭素を0にして、将来に希望をつなごうとしています。しかし人類そのものが存続しようとも、人間の心が、魂が汚れてしまえば、何の意味もありません。 心ある音楽関係者のみなさん、今こそ弦楽器におけるリベートの撲滅をめざして、声をあげようではありませんか。長い歴史の中で続いてきたクラシック音楽を、みんなで大切にしていきましょう。