その1. アフターコロナ
新型コロナウイルスによって、約1年半、世の中の活動は大きく変化しています。音楽界においても、コンサートやオーケストラの練習、レッスン等々、著しく活動が制限されてしまい、ヴァイオリンの専門店も大きく営業に支障をきたし、赤字を減らすための努力をしなければならなくなりました。
そんな昨今、NHKでチョン・ミョンフン指揮による東京フィルのブラームスSym1番の“魂の演奏”の番組を見て感動しました。チョン・ミョンフンのひと言ひと言を、オーケストラのメンバー全員が心で感じ一体となって演奏する姿は、これこそが理想の音楽で、オーケストラのメンバーをぜひ後押ししたいとの思いにかられました。
名古屋でも小さな音楽会があり、ヴァイオリンとピアノの演奏でこのコンビによる3年ぶりの演奏でした。100人ほどのホールに30人弱の聴衆でしたが、音楽が進むにつれいろいろな雑念が消えて、終わりには大きな感動がきました。ああ音楽は偉大だとつくづく思い、クラシック音楽を演奏し、また聴くことができる素晴らしさは、過去の偉大な作曲家、演奏者、聴衆の心の交流にこそあるのだと確信することができました。コロナ流行の不幸や不便さは、音楽することの大切さを教えてくれました。
アフターコロナの世の中、とりわけ音楽界は、以前とは大きく変わるであろうと思われます。まず、私自身がこれまで以上に音楽に、また音楽をする人々に対して全力で尽くそうと思います。 私が今までに得る事ができた知識、経験、技術など、できるだけ生かしていきたいし、若い世代に伝えていきたいと思います。良い事は良い、良くない事は良くないと、はっきり発言していくつもりです。
2021年10月28日